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葬儀後の知識と心得

ご法要の営みについて

人生最後の別れの儀式には、さまざまな約束事があります。つつしみをもって故人と最後のお別れをするよう心がけたいものです。
しかし、不意の出来事だけに、とまどいがちではありませんか。 葬儀の心得・整理、香典返しなど、ひとつひとつ聞いて教えてもらうわけにはいかないものです。 そこで、少しでもお役に立てますようにと、それぞれのしきたり、知識、タブーとされている事などをとりあげました。 心をこめた葬儀を行い、あとの始末をきちんとすることこそ、残されたもののつとめです。

お手元において、お役立ていただければ幸いです。

 



あいさつ回り・お礼

仏事は、葬儀の行事とか法要などなにかとたいへんなことが続きます。故人の供養のためにも、この手引きをご参考になさって、ご先祖を末永くご供養ください。

事務引き継ぎの際確認すること

火葬もすみ、葬儀も一段落したところで、喪主はその日のうちにも世話役の人から事務の引き継ぎを受けます。
世話役から引き継ぐのは、会葬者名簿、供物や香典の控え、弔電や弔文のつづり、会計の清算、立替金の返済などです。
また遺族の気がつかなかったような弔問客の心づかいなども聞いておき、あいさつ回りのときに、お礼を述べるようにします。

直接あいさつに行くべきところは

葬儀委員長をはじめ、故人の恩人や社会的地位の高い人が会葬戴けたときは、会葬礼状だけですませずに直接あいさつに伺うのが礼儀です。 そのほか葬儀で特別に世話になった人にも会葬のお礼にまわります。 一般会葬者には、会葬礼状をもってあいさつをすませます。

あいさつについて

挨拶廻りの服装は地味なものを

葬儀直後の挨拶回りには、なるべく喪服を着用します。
2~3日後の場合は、地味な平服で挨拶に伺う方が自然です。

葬儀の間、喪主や遺族は、故人の恩人や社会的地位のある人に対して、見送りや出迎えもしなくて失礼なことも多かったはずです。
こうした目上の人に対しては、「お忙しい中をご会葬くださいまして、ほんとうにありがとうございました。○○様にお別れをしていただきまして、故人もさぞ満足だったことと存じます」といったあいさつをすればよいでしょう。葬儀で特別に世話になった人には「昨日はいろいろお世話になりましてありがとうございました。おかげさまでとどこおりなく葬儀をすませることができました」といったあいさつをします。正式なご挨拶は忌明けにしますので、このときは手ぶらでかまいません。この挨拶は死亡の知らせと同様、昔から二人で回わる習慣がありますが、最近では喪主が一人で出向くことも多くなっています。

喪主が疲れている場合は、親族の誰かが代わっても失礼ではありませんが、おもだった人にはなるべく喪主がお礼を述べるべきでしょう。

葬儀全体について手を貸して下さった世話役の人には、特に丁重にお礼を言います。そしてお礼の品または礼金を持参します。お礼の品物は奉書紙、半紙などに包み、黒白または銀の水引きで結び、のしはつけません。礼金は白封筒に入れ、上書は品物、お金いずれも「御礼」とします。隣近所への挨拶は、日頃つきあいのない家でもしなければなりません。葬儀当日、車の出入りが激しかったり、大なり小なりの迷惑をかけているからです。

世話役、手伝いの人へのお礼

世話役や手伝いの人には、ふつう葬儀のすんだ夜に食事を出して感謝の心を表します。とくに台所の世話などなにかと手伝ってもらったような家には、忌明けにお礼の品物を持って伺ったほうがよいでしょう。ただし近所の助け合いなどはお互いさまなので、あまり高価なものはさけるほうがよいでしょう。

支払い

病院への支払

医療費の支払は、死亡診断書をもらいにいくときか、おそくとも葬儀の翌日にはすませましょう。とくに心づけといったものは不要ですが、なんとなく気がすすまないというのであれば、菓子折り程度のものを持参すればよいでしょう。

葬儀社への支払

葬儀後2、3日すると、葬儀社から請求書が届きます。その支払と同時に葬儀全般にわたって数日間世話になった労をねぎらう意味で、請求金額とは別に、心づけを包むこともあります。ただし心づけはあくまで任意のもので、しなければならないものではありません。

酒屋、仕出し屋などへの支払

葬儀の場合は取りこんで、あと払いになることが多いようです。通夜ぶるまいや精進落としのときは、仕出し屋でなにかと便宜を図ってくれることが多いものです。世話になったときには、多少の心づけを渡します。

喪主が疲れている場合は、親族の誰かが代わっても失礼ではありませんが、おもだった人にはなるべく喪主がお礼を述べるべきでしょう。

葬儀全体について手を貸して下さった世話役の人には、特に丁重にお礼を言います。そしてお礼の品または礼金を持参します。お礼の品物は奉書紙、半紙などに包み、黒白または銀の水引きで結び、のしはつけません。礼金は白封筒に入れ、上書は品物、お金いずれも「御礼」とします。隣近所への挨拶は、日頃つきあいのない家でもしなければなりません。葬儀当日、車の出入りが激しかったり、大なり小なりの迷惑をかけているからです。

寺院、神社、教会への支払

僧侶、神職、神父、牧師などへの謝礼は、金額に規定があればそれにしたがいます。
また「志でけっこうです」といわれた場合は、寺院や神社などの格式や葬儀を出す家の格式、葬儀の規模などによっても違ってきますので、葬儀社や宗教団体の長老格の人、町会の世話役などに相談して決めるとよいでしょう。
なお、僧侶や神職などへのお礼は人数に関係なく、一括して包みます。キリスト教の場合は、習慣として教会への献金という形をとりますので、牧師、神父には別に包むこともあります。
また寺院や教会などを式場に借りた場合、規定があれば席料として別にしますが、小さな寺などでとくに規定がない場合は、その分も含めて包むようにすればよいでしょう。

謝礼金は奉書紙、半紙などに包み、弔事用(黒白、銀、黄白など)の水引を結び切りにするか、市販の不祝儀袋に、仏式は、「御経料」「御布施」、神式は、「御神饌料」「御礼」、キリスト教では、教会宛なら「御花料」、神父、牧師個人へは「御礼」などと書きます。式場を借りたような場合であれば「御席料」「志」などとします。(僧侶への謝礼・キリスト教の葬儀)

法要での挨拶例

開式の挨拶

「本日は、お忙しい中、お集まりいただきありがとうございました。早いもので、もう四十九日となりました。ただいまより、△△寺のご住職様のお導きにより、故○○の忌明け(満中陰・七七忌)法要をおこないたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

お斎(会食)の挨拶

「どうも、ありがとうございました。ありがたいお経を頂戴し、故人もさぞ喜んでいることと思います。また生前親しくしていただいた皆様にお集まりいただき、故人に代わって厚くお礼申し上げます。」
「それでは、ささやかですがお酒とお料理を用意いたしましたので、どうぞごゆっくりおくつろぎください。」

お開きの挨拶

「まだまだ皆様のお話などうけたまわりたく存じますが、そろそろお時間となりました。○○が居なくなり寂しくなりましたが、残りました家族一同頑張っていきたいと思います。」

「これからも、変わらぬお付き合いをよろしくお願い申し上げます。また、何かと相談に乗っていただくこともあるかと思いますが、よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。本日は、どうもありがとうございました。」

葬儀後の挨拶事例集

寺院・僧侶へ

「先日の葬儀に際しましては、ご多用のところ、たいへんご丁寧なお勤めを賜り、ありがとうございました。おかげさまで、無事に葬儀をとりおこなうことができました。」

病院・医療関係へ

「先日は○○がたいへんお世話になり、ありがとうございました。皆様の心からのご看護には、故人もさぞ感謝していたことと思います。」「心ばかりの品ではございますが、どうか皆さんでお召し上がりください。どうもありがとうございました。」

葬儀委員長・世話役へ

「先日の葬儀に関しましては、たいへんお世話になりありがとうございました。おかげをもちまして、無事に葬儀をすませることができました。」「慣れないことですので、何かと不行き届きな点などございましたと思いますが、どうぞお許しくださるようお願いいたします。」「これからも、いろいろ相談に乗っていただかねばならない事もあるかと存じますが、よろしくご指導賜りますようお願い申し上げます。」

近所の方へ

「生前中は、何かとお世話になりありがとうございました。このたびの葬儀に際しましても、ご迷惑をおかけして申し訳ございませんでした。おかげさまで、とどこおりなく葬儀をすませることができました。」「○○が居なくなり寂しくなりましたが、残された者みんなで頑張っていきたいと思います。これからも、変わらぬお付き合いを、どうぞよろしくお願いいたします。」

故人の勤務先へ

「○○の妻でございます。先日の葬儀に際しましては、会社の皆様には何かとお世話になりありがとうございました。また、多数のお見送りをいただき、本当にありがとうございました。○○も、さぞ喜んでいったことと思います。」 「在職中は、皆様にたいへんお世話になりました。自宅にありました社員証とバッジ、保険証をお持ちいたしましたので、よろしくお願いいたします。」 「本日は○○の遺品がありましたら、持ち帰らせていただきたく思います。もし差し支えなければ、○○の机とロッカーを拝見させていただけませんでしょうか。」

目上の方へ

「このたびは、お忙しい中をわざわざご会葬くださいまして、ありがとうございました。○○も、さぞ喜んでいたことと思います。」 「なにぶん不慣れですので、ゆき届かないことも多かったことと思いますが、おかげ様で無事に葬儀をすませることができました。どうもありがとうございました。」 「○○がいなくなりましたが、これからもよろしくご指導くださいますようお願い申し上げます。」

香典のお返しを持参した場合

「○○の葬儀に際しましては、わざわざお出かけいただき、ありがとうございました。早いもので、もう忌明けを迎えることとなりました。ほんの心ばかりの品ではございますが、供養のしるしでございます。どうぞお納めください。」

ご返礼

即日返しに…

地方によっては故人と最後のお別れをするためにわざわざ集まってくださった労をねぎらう気持をこめて、弔問の方すべてに香典の額に関係なく同一のものを葬儀の場でお返しすることがあります。これが「即日返し」のしきたりです。
なお、会社関係や特に深いつながりのある親戚などから、高額の香典をいただいたときは、後日挨拶状を添えてお返しすればよいでしょう。

香典返しの目安

従来のしきたりでは「半返し」といって、ふつうは香典をもらった額の半分くらい、お返しするのが適当のようです。
この香典返しの基準は別に根拠はないのですが、現在でも広く行われています。しかし、事務の煩雑さをさけるため、ふつうには五段階くらいの品を用意して、香典の金額に応じてどれかにあてはめて返すのがよいでしょう。とくに故人が著名人で、会葬者が非常に多かったときなどは、故人を記念したふろしきなどを作って一律に配るといった場合もあります。

忌明けのあいさつ状と香典返し

仏式では四十九日(宗派によっては三十五日)を忌明けとしています。
忌明けまでに納骨をすませ、忌明けのあいさつとともに香典返しをすることが多いようです。
あいさつ状には、この日に納骨あるいは七七日(五七日)の法要をすませた旨を報告し、香典返しを送った旨を伝え、厚くお礼を申し述べます。

包み方と表書き

品物は奉書紙、半紙などに包み、弔事用の黄白又は黒白の水引をかけます。表書きは上段に「忌明」または「志」、下段に送り主である喪主の姓名を書くことが多いようです。

神式の場合の香典返しとあいさつ状

香典返しということばは仏式のものですが、一般的な習慣として神式でも仏式と同じようにすることが多いようです。
神式では三十日祭または五十日祭を忌明けとし、あいさつ状とともに香典返しをすることになります。
神式の場合のあいさつ状も仏式と同じような趣旨で書けばよく、印刷された既製あいさつ状も葬儀社にあります。ただし、「冥福」、「成仏」、「供養」、「回向」、「追善」などの用語はさけます。
香典返しの表書きは「偲草」「志」などです。

キリスト教式の香典返しとあいさつ状

香典返しは仏式の場合のことばですが、一般的な習慣として、キリスト教でも仏式と同じようにすることが多いようです。香典返しの時期について、キリスト教の場合はとくにきまりがありませんが、一ヶ月後の召天記念日に納骨をすませ、その旨のあいさつ状を添えて、故人を記念する品を贈ることが多いようです。
表書きは「偲草」「志」などです。ただしキリスト教では「忌」ということばは使いませんし、あいさつ状には「冥福」、「成仏」、「供養」、「回向」などの仏式用語はさけ、「急逝」、「永別」、「召天」、「神のみもとに召され」などのことばを使います。

社葬などの場合の香典返しは

故人が会社や団体に特別の功労があったり、業務上の事故などの場合、社葬や団体葬の扱いを受けることがあります。葬儀の費用が会社などの負担であっても香典は遺族側が受け、そのお返しは遺族が行うことが一般的のようです。

香典返しに適した品物とそのいわれ

御茶

御茶を飲みながら故人を偲ぶということで、御茶をお返しする習慣が残っています。

シーツ・タオル・綿布

実用品としてはもちろん、仏事では仏の世界への旅立ちに白装束で旅立つという意味からさらしが利用されていました。その流れがシーツ、タオル、毛布という形で今でも引き継がれて利用されています。

砂糖

やはり仏の世界へ白装束で旅立つという意味と慈愛を表現するという意味で利用され、また消耗品であることから先様へ不幸が及ぶのを消滅させるといわれております。

石鹸

実用品として喜ばれることと、不幸を洗い流すという意味も含めてよく利用されています。

家庭金物

昔から光るものが魔除けとして用いられていた風習からステンレス、アルミ、銅製品などが利用されています。

陶器(美濃焼・有田焼・九谷焼等)

昔は人間が死亡した後、埋葬にするという習慣があり、人間皆土に帰るという意味を含めて陶器が利用されています。

漆器(紀州塗・会津塗・山中塗・春慶塗等)

不幸を塗りつぶすという意味と白木(白装束で仏の世界へ旅立つことから)の場合は、二度と不幸がないように願いをこめて色直しをする意味で漆器が利用されています。

かけ紙

満中陰志

四十九日は満中陰といいその志という意味で主に大阪以西で用いられ香典返しの表書きに用います。

忌明志

意味は満中陰志と全く同じです。

意味は同じですが関東地方や一部区域で香典返しの表書きに用います。

御佛前

仏式の葬儀や法事に。御香典とも書く。(特に四十九日以後の法要では御仏前となる。

偲草

神式(キリスト教会も含)の忌明(三十日祭又は五十日祭)のお配りものに用います。

御布施

仏式の葬儀や法事の場合の僧侶へのお礼。

粗供養

忌明、年忌等の法事に。

御花代

不幸をあとから聞いて伺うときや、お盆やお彼岸にお参りする。

御霊前

葬儀や忌日に、仏式、神式、キリスト教式すべてに使える。
神式の場合はほかに御玉串料、御料、御神前などとし、キリスト教式の場合は御花料とも書く。

御経料

仏式の葬儀や法事に。 御香典とも書く。

御香料

仏式の葬儀や法事に。 御香典とも書く。