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仏壇(唐木について)

唐木の話し

我国では、唐木とは一般に”シタン・コクタン・タガヤサン”などの沈木(水に沈む)や、”びゃくだん・伽羅(きゃら)”などの薫香木をさしますが、甚だ曖昧な名称で、古くは奈良時代に(中国の唐)より、奈良の正倉院にもたらされた宝物の中に、シタンの碁盤、琵琶、杢画箱等のシタン類を始め”カリン・コクタン・タガヤサン・白檀・びんろうじゅ・じんこう”などの工芸製品が含まれているのが見られ、当時より、日本に産出しない(中国の唐)より伝わった、重硬な木材を総称して”唐木”と呼ばれるようになったとと思われます。

仏壇の材料としての唐木は、比重が高く、強度が大で、耐久性が高く、心材は菌や昆虫に犯されにくく、乾燥性が比較的良く、寸法安定性が高く、木理が緻密で、杢目が美しい材が選ばれます。

こくたん「黒壇」かきのき科かきのき属

聖書にも登場する『黒檀』[かきのき属]は、世界に480種ほどあり、ゴルフクラブのヘッド材の北米産パーシモンや、渋柿などの柿もこの仲間です。しかし、熱帯多雨林地帯の東南アジアが特に種類は多く、そのなかで、黒色の心材を有するものを『黒檀』と称しています。

 

ほんこくたん・まぐろ『本黒檀』

  1. (フェレア=東南アジア)
    (エボニー=インド南部、スリランカ)
    (メラノクシロン=インド、スリランカ)
    (クラッシフローラ=西アフリカ)

 

別名インド黒檀、セイロン黒檀ともいわれ縞目がほとんど見られず、真っ黒色に近く、縞黒檀と比べて高価な材で、直径60cmに成長するのに200年かかると言われています。

 

青こくたん『青黒檀』

  1. (グリーンエボニー=東南アジア)
    (モリス,ラ マクルア=タイ)
    (ヴェラ,ムン=インドネシア)
    (クロロクシロン=インド)

 

『黒檀』の中で最も重硬で緻密ですが、光沢に乏しく道管中に緑色物質がつまるため、全体に緑がかって見えます。

 

しまこくたん『縞黒檀』

  1. (ストリーキーエボニー,マカッサルエボニー,ルンピィ,ピロサンテラ=インドネシア 旧セレベス)

 

現在(こくたん)といえば縞黒檀(旧セレベス島)がその代表ですが、資源が少なく高価なため(毛柿・けがき=台湾)(カマゴン=フィリピン)などの軟らかいが非常によく似た縞目を有し、縞黒檀より安価な材が一部彫刻部分などに利用されています。

 

班入りこくたん『班入黒檀』

  1. (マーブルウッド=東南アジア)別名=ゼブラウッド
    (アンダマンマーブル,マンモラータ=アンダマン島)
    (セレピカ=スラウェシ島)
    (クアエシタ=インド,スリランカ)

 

別名ゼブラウッドと呼ばれるように、縞馬や大理石に似た非常に美しい班入模様の現れる、我国では最も高価な『黒檀』の一つですが『縞黒檀』と同様に資源が少なく貴重な材です。また、ゼブラウッドとは、縞の多い木材の意で、アフリカの(アフリカンゼブラウッド,ミクロペルリニア,ゼブラノ,ジンガナ,イジンガナ)や、南米の(アンゲリウムラジャド)なども(まめ科)ですが、同名で呼ばれています。


したん「紫檀」まめ科つるさいかち属

つるさいかち属は、世界の熱帯~亜熱帯にかけて、約150種ありますが、そのほとんどは童話「ジャックとマメの木」に 登場するツル性で、用材としての利用樹種は約20種ほど、その代表が東南アジアでは『したん』南米では『ブラジリアンローズウッド』です。
ローズウッドの仲間(インディアンローズ,ホンデュラスローズ,アマゾンローズ)には心材がバラの花の香りがするので、その名が付けられたと思われますが、芳香性が無くても杢日の美しさにあやかって名付けられた材もあります。

 

ほんしたん『本紫檀』

  1. (クランフン,カムフン)=ラオス
    (パユン=タイ)(トラク=ベトナム)

黒檀が東の横綱なら、この材は西の横綱に挙げられる唐木の代表で、道管内に着色物質が蓄積されるため、外観が緻密で杢目が美しく重硬で耐久性も非常に高く、切削性も良く、綺麗な仕上げが得られます。用途は仏壇はもとより、家具指物類、床回り、楽器工芸品などに多く用いられています。

 

「紫檀」とよく似たまめ科の材

つるさいかち属は、世界の熱帯~亜熱帯にかけて、約150種ありますが、そのほとんどは童話「ジャックとマメの木」に 登場するツル性で、用材としての利用樹種は約20種ほど、その代表が東南アジアでは『したん』南米では『ブラジリアンローズウッド』です。
ローズウッドの仲間(インディアンローズ,ホンデュラスローズ,アマゾンローズ)には心材がバラの花の香りがするので、その名が付けられたと思われますが、芳香性が無くても杢日の美しさにあやかって名付けられた材もあります。

 

(ブビンガ=カメルーン)(ケバジンゴ=ガボン)

樹高20m~45m、直径80cm~3mの高大木で大径、長尺材が得られ、大太鼓(明治神宮=直径5尺、東京府中の大国魂神社=直径8尺1寸、三鷹の八幡神社=直径5尺6寸)などがあり、座卓、床板などにも多く使用されています。
(ブビンガ)の仲間に(オバンコール,エヒー,ムテニエ)などの、同様良材高木があります。

 

(パオサント)別名=南米こくたん

ほぼ黒色でわずかに濃淡の縞があります

 

(マカカウバ)別名=南米したん・南米かりん

「紫檀」や「カリン」と混同されて呼ばれる事が多く赤褐色、濃橙褐色、濃紫色で、やや暗い色の縞があります。

 

(パオローサ,パーロッサ,オケンディナ)=ガボン(キエラクス)=コンゴ(ボト)=象牙海岸

などとアフリカの西から東にかけて広く分布し、様々な名で呼ばれていますが、我国では、アフリカで”まめ科の赤い木”を意味する(パオローサ,パーロッサ)と呼んでいます。

 

(パオブラジル,ペルナンブコ)別名=南米したん

バイオリンの弓の特用材としても有名な、高価な材です。